損保ジャパンとSOMPOリスクマネジメントは、7月15日から、洋上風力発電事業者向けに、建設作業から事業運営までのリスク評価とリスクを包括的に補償する保険をセットで提供する「ONE SOMPO WINDサービス」を販売している。リスクの把握からその評価、保険手配までを一気通貫で提供し、事業者を支援する。
SOMPOリスクマネジメントが東京大学との共同研究でリスク評価モデルを開発。これまで評価が難しかった日本の洋上風力発電固有のリスク評価が可能となり、プロジェクトファイナンスの組成や最適な保険設計、再保険の効果的な組成による安定的な補償の提供の一助となる。一方、損保ジャパンは、洋上風力発電設備の建設作業に伴うリスク、完成後の事業運営に伴うリスクを対象とする包括保険を提供。風災、落雷などの不測かつ突発的な事故により洋上風力発電設備に損害が発生した場合や、建設作業中・事業運営中の事故による賠償責任や逸失利益、設備修理時の傭船費用や撤去費用などを補償する。
地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が本格始動したことなどを背景に、再生可能エネルギーのひとつとして洋上風力発電が注目されているが、数千億円の大型プロジェクトとなる風力発電事業の安定経営には課題がある。洋上風力発電固有のリスクや、立地により特徴が異なる自然災害のリスクを定量的に分析した上で、リスクマネジメントや保険への転嫁などの対策が不可欠だ。こうしたことから両社は、包括的に保障する「ONESOMPO WINDサービス」の提供を始めた。