三井住友海上とbitFlyer (ビットフライヤー)は、ビットコイン事業者向けにサイバー攻撃などによるリスクを包括的に補償する専用保険を共同開発した。日本最大のビットコイン取引所を運営するビットフライヤーは従来から一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)を通じて、ビットコインの利用者保護の取り組みを推進しており、安全・安心なビットコインのサービスの普及と発展を図るため、三井住友海上と連携し国内初のビットコイン事業者向けのサイバー保険を開発した。
ビットコイン市場は今後大きな成長が見込まれており、ビットコイン関連サービス運営事業者の数も増加中だ。インターネットをビジネスの基盤とする運営事業者は利用者が安心して取り引きできるようにさまざまな対策を講じる必要があるが、企業・団体に対するサイバー攻撃の増加と被害の拡大を受けて、サイバーリスク対策は重要な経営課題になっている。
こうした中、開発されたサイバー保険の特徴は、サイバー攻撃などによって発生したビットコインの盗難、消失などに対する損害賠償のほか、事故対応に必要となる各種対策費用(見舞金費用・コンサルティング費用・原因調査費用・被害拡大防止費用など)まで補償すること。
またサイバー攻撃で被害が発生した際には、専門知識や技術が必要な原因調査や証拠保全などの事故対応について、運営事業者からの要請で経験豊富な専門事業者を紹介する。
サイバー攻撃による被害を未然に防ぐために、標的型メール訓練や情報漏えいリスクに関するセキュリティ診断、従業員向けのチェックリストなどのサイバーリスク対策サービスを提供する。
ビットコインをはじめとする仮想通貨のへの規制を盛り込んだ改正「貸金決済法」が2016年6月に公布され、1年以内の施行が予定されている。同法で仮想通貨は「財産的価値」として定義され、法規制を受けて、ビットコイン事業者は今後さらに発展することが期待される。一方、企業や団体に対するサイバー攻撃が増加しており、その手法も巧妙化しており、その対策が課題となってた。