複数の商品から自分に合った保険商品を選べる窓口として、来店型の保険ショップが全国規模で広がっている。都市部だけでなく地方でも、保険ショップの看板を街中で見かけることは珍しくない。現在、店舗数では全国に約2000店前後あると推定される。保険ショップを全国規模で運営する大型の乗合代理店だけでなく、異業種からの新規参入の保険ショップも増加中だ。取り扱っているのは生命保険や医療保険だけではない。自動車保険や火災保険など損保分野の商品を積極的に提案するショップも多い。
今後も顧客が無料で保険相談できる場として広がっていくだろうが、保険ショップの市場規模や売り上げ、伸び率などは意外に知られていない。こうした中、矢野経済研究所は2014年2~3月にかけて「来店型保険ショップ市場に関する調査結果2014」を実施し、その結果を発表した。
市場規模は前年度比40%増と拡大傾向
矢野経済研究所では、2012年度の来店型保険ショップの市場規模を新契約年換算保険料(ANP)ベースで951億円と推定。2013年度は前年度比40.7%増の1338億円に拡大していると見込んでいる。なお、同市場規模には生命保険のほか、損害保険のANPも約1割程度含まれるという。
同社の調査によると、保険ショップへは乗合代理店を本業とする会社のほか、金融業では生保会社、クレジットカード会社、銀行、証券などで、他業種では流通小売業や製造業、鉄道、マスコミ(放送局、新聞社)、その他サービス業からも子会社や一事業領域として参入していると報告している。
生保市場に占める保険ショップチャネルは約4%程度
生保協会によると、2012年の個人保険における新契約年換算保険料は2兆1266億円で、来店型保険ショップにおける生保販売分を約9割と仮定した場合、全体に占める比率は4.0%程度と同研究所では算出。「市場規模では現段階ではまだ小規模だが、前年度比で2ケタ増と拡大傾向にあり、今後も成長市場であるとみる」と分析している。
一方、来店型保険ショップの新規契約件数は2012年度で92万件、2013年度は前年度比39.1%増の128万件の見込み。生保協会による2012年度の個人保険の新規契約件数は1967万件であり、来店型保険ショップの比率は全体の4.2%占めると同研究所は算出している。