顧客満足度(CS)に関する調査・コンサルティングを行う、J.D. パワー・アジア・パシフィック(東京都港区、鈴木郁社長)は3月12日、2014年生命保険契約満足度調査(募集編・保全編)の結果を発表した。調査結果から、生命保険の契約先チャネルとして、これまで主力だった「保険会社の営業担当者」の割合が減少する一方、「保険代理店」の割合が増加したことが明らかとなった。特に医療給付タイプでは割合が逆転し、「保険代理店」からの契約が主力となっている。既契約者へのアフターフォローでは、各社での取り組みが進んだことで満足度は改善の傾向にあることが判明した(下の円グラフ参照)
「募集編」では、直近1年以内に生命保険を新規契約・更新手続きをした顧客を対象に、契約プロセスでの保険会社に対する満足度や各種活動実態を調査。今回は、昨年12月にインターネットで10963人から回答を得た。その結果、保険代理店で契約した顧客の満足度は、保険会社職員を通して契約した顧客の満足度と比べて、生活保障タイプでは20ポイント以上、医療給付タイプでも10ポイント以上も上回った。契約の継続意向も約7ポイント高かった。
調査によると、保険代理店で契約した顧客は、契約時に保障内容についての説明やアドバイスなどを多く受けている傾向が見られた。「他社商品と比較した時のメリット」の説明や家庭の生活資金についてのアドバイスなどを受けた割合は、保険会社職員からの顧客よりも1割以上多い。
その結果、満足度は説明がなかった場合に比べて約50ポイント高く、継続契約意向も高い。加えて「契約した保険代理店を周囲に推奨したい」との意向も高まることが判明した。
一方で、同社では「保険代理店から説明やアドバイスを受けた顧客の割合は3~5割にとどまっていることから、今後さらに徹底する余地はある」とコメントしている。
プルデンシャル生命が4年連続で第一位
会社別のランキングでは、生活保障タイプで対象となった20社中、プルデンシャル生命が4年連続で第1位。医療給付タイプでは、対象となった16社中、ソニー生命が2年連続で第1位となった。
一方、生命保険加入から2年以上経過した既契約者の満足度では、更新手続きや請求を直近1年以内に行っていない顧客を対象に、加入保険に対する契約後における保険会社・代理店の対応実態や満足度を調査。こちらも昨年12月にインターネット調査を実施し、6635人から回答を得た。
その結果、生活保障タイプと医療給付タイプともに全体の満足度は10ポイント近い改善が見られた。直近1年以内に保険会社職員や契約先保険代理店から連絡や案内があった割合は約8割となり、調査を開始した2012年時点から8ポイント程度増加した。
今年度は保険会社や代理店からのさまざまな連絡や案内の中でも、登録情報の変更や契約内容の変更の際の「各種手続きの案内」や、 契約者に対する「年賀状・誕生日カード・カレンダーなどの送付」があった顧客について、満足度の割合が増加している。何らかのアフターフォローを受けた顧客は「連絡は一度もない」とする顧客よりも、満足度が高まるのに加えて、契約の継続意向「非常にそう思う」という回答も10ポイント高まっていた。
同社では「契約者の健康や家庭生活を支える保険として定期的に顧客との接点を持つことで、保険会社や保険代理店が顧客との信頼関係を築いていくことが、保険契約を長期化し顧客を維持することができるポイント」と強調する。(高見和也)
J.D. パワー・アジア・パシフィックのニュースリリースhttp://www.jdpower.co.jp/news/2014220081/