大手生命保険会社4社は、新型コロナウイルス感染防止に向けて、全国の営業拠点を一時休業させるとともに、全営業職員の対面営業を自粛し、在宅勤務とさせる方針を固めた。16日からは大手4生保の営業拠点はすべて休業しており、各社とも「当面の間」として期間は明示していない。緊急事態宣言の期間である5月6日以降も、全国で営業自粛が続く可能性がある。
まず、日本生命が全国での休業を発表
いち早くその旨を発表したのは日本生命だ。同社は4月13日、緊急事態宣言が発令されていない地域を含む、すべての地域でニッセイ・トータルパートナー(営業職員)による訪問を自粛し、職員は在宅勤務にすることを発表した。また、来店型店舗のニッセイ・ライププラザの店舗の営業停止も決めた。すでに4月14日からこの対応をしており、休業した拠点は約1500店で、営業職員数は約5万2500人に上る。
住友生命も13日、全国の営業拠点の休業させる方針を固め、16日から実施している。同社の全国の営業拠点数は約1530で、対象となる営業職員は約3万2000人だ。第一生命も4月16日から、全国約1250拠点、約4万人の営業職員を対象に同様の対応に入っている。明治安田生命も4月16日から、約1100拠点を閉鎖し、約3万3000人の営業職員の訪問活動を自粛している。
太陽生命や朝日生命、富国生命など中堅生保各社も同様の対応をする方針だ。
生保各社は緊急事態宣言が発令された4月7日、首都圏や関西圏など対象地域となった7都府県の営業拠点を対象に、翌8日から一時休業することを決定し、所属する営業職員の訪問活動を自粛する方針を固めた。ただ、緊急事態宣言の対象地域拡大が取り沙汰されたうえ、緊急事態宣言の期間が5月7日以降に延長される可能性もあったことから、営業自粛の範囲を全国レベルに拡大させた。生保会社の職員にも新型コロナウイルス感染者が出ていたこともあり、顧客と従業員の安全を最優先に考えた措置だった。
保険金・給付金請求は非対面で実施
訪問活動は自粛とはいえ、既契約者の保全業務については止めるわけには行かない。各社はコールセンターや専用のWebサイトなどを顧客に案内し、非対面での手続きでどどこおりなく業務を行う方針でいる。ただ、従来営業職員を頼っていた高齢の顧客などは、非対面での対応に戸惑う可能性があり、顧客からの要望が強い場合は、支社や本社職員が感染防止策を取りながら、顧客に対面で対応するケースもあるという。