日本損害保険協会は、協会加盟会社(28社)の2020年3月期決算概況を取りまとめ、6月26日に発表した。それによると正味収入保険料は、火災保険や自動車保険の増収などで、平成30年度に比べ2.6%(2,166億円)増加して8兆6,094億円となった。
一方、正味支払保険金は、台風15号や台風19号による保険金支払いで、前年度に比べ5.6%(2,973億円)減少の5兆268億円。これは東日本大震災直後の2011年度を除いて、過去2番目の金額となり、2018年度に続き5兆円を超えた。損害率は、正味支払保険金の減少および正味収入保険料の増加により、前年度に比べ5.2ポイント低下し、63.9%となった。
事業費率は、諸手数料および集金費の増加などにより、前年度に比べ0.1ポイント上昇し32.6%。損害率と事業費率を合計したコンバインド・レシオは、前年度に比べ5.1ポイント低下して96.5%となった。
保険引受利益は、これらの増減益要因のほか、保険金支払いの減少に伴う責任準備金戻入額の減少や、大規模な自然災害に備えての同繰入額の増加などにより、前年度に比べ51.1%(984億円)減少の942億円となった。
資産運用については、有価証券売却益の減少などで資産運用収益は、前年度に比べ13.2%(1,115億円)減益の7,353億円。資産運用費用は、有価証券評価損の増加などにより、前年度に比べ55.4%(564億円)増加して1,583億円だった。資産運用収益から資産運用費用を差し引いた資産運用粗利益は、前年度に比べ22.5%(1,679億円)減益の5,769億円となった。
経常利益は、資産運用粗利益の減益などにより、前年度に比べ31.0%(2,678億円)減益の5,965億円。経常利益に特別損益や法人税等合計を加減算した当期純利益は、特別損失の増加などにより、前年度に比べ32.4%(2,189億円)減益の4,576億円となった。総資産は、前年度末に比べ2.7%(8,628億円)減少して30兆6,480億円だった。ソルベンシー・マージン比率は、28社とも法律で求める水準を超えており、経営の健全性について問題ない水準。
協会加盟会社(28社)
あいおいニッセイ同和損保、アイペット損保、アクサ損保、アニコム損保、イーデザイン損保、AIG損保、エイチ・エス損保、SBI損保、au損保、共栄火災、さくら損保、ジェイアイ、セコム損保、セゾン自動車火災、ソニー損保、損保ジャパン、大同火災、東京海上日動、トーア再保険、日新火災、日本地震、日立キャピタル損保、ペット&ファミリー損保、三井住友海上、三井ダイレクト損保、明治安田損保、楽天損保、レスキュー損保