アクセンチュアは2020年4月27日、5Gに関する企業の理解度や導入状況、潜在価値に対する見解について、グローバルでの調査結果を発表した。企業は5Gによってネットワークが「革新的な進化」を遂げると考える一方、「セキュリティ」への懸念を抱いていることが浮き彫りになった。調査は、日本を含むアジア太平洋地域、欧州、北米の12の業種で、経営やテクノロジーに関する意思決定者2623人にインタビュー形式で行った。
「5Gによってサイバー攻撃を受けやすくなる」と6割が回答
全体の79%が「5Gは自社に極めて大きなインパクトをもたらす」と回答する一方、62%が「5Gによってサイバーの攻撃の影響を受けやすくなる」と危惧している。こうした課題に対して74%の企業が「5G普及に伴い、セキュリティ関連のポリシーや手順を見直す予定」と回答しており、事前対策を検討していることが分かった。
5Gの運用コストへの関心も高い。「ITインフラストラクチャやアプリケーションの運用コストは上昇する」との回答は80%を占める。一方で31%が今なお「5G導入の初期費用は高額になる」と考えているようだ。
5G の最大の課題について、52%が「5G によるイノベーションの創出」と回答。投資に見合った価値を生み出すためには、ユースケースを策定する段階から、他社との差別化を図ることが重要になる。また、その潜在価値を引き出す上で、外部のサポートの必要性を認識しつつあることも明らかになった(外部のサポートが必要72%、社内開発を予定14%)。
今回の調査で分かったのは、世界中の企業が課題を抱えながらも5Gの活用に活路を見出していることだ。例えば「外出先の従業員が現場で必要とするサポートを、今後4年の間に5Gを利用して提供する予定」と回答したのは85%で、昨年の68%から増加している。
アクセンチュアの通信・メディア部門を統括するシニア・マネジング・ディレクターのジョージ・ナチ氏は、「企業の経営陣は5Gによって経営がより盤石になると考える一方で、5Gのネットワーク・アーキテクチャ特有の課題が伴う、と考えていることが分かった」「企業は適切なビジネス戦略やエコシステム形成を進めることで、5Gに関する魅力的なユースケースやビジネス成果を生み出せる。通信サービス事業者に関してはさらなる成長の可能性を引き出すために、5Gのエコシステムにおける中心的役割を担うことが急務になる」とコメントしている。
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