三井住友海上とデザミスは、デザミスが開発した牛の行動モニタリングシステム「U-motion」に保険を付帯した「牛の診療費補償サービス」の提供を開始した。U-motion による牛の疾病・事故の早期発見に加え、畜産農家が負担する牛の診療費の軽減を可能にしている。
U-motion は、牛の首に取り付けたセンサーが牛の行動をモニタリングし、反芻・動態・横臥・起立などの牛の主要な行動を2 4 時間 3 6 5 日記録することで、牛の健康状態をリアルタイムに把握できるサービス。集積された行動デー タを用いて、人工知能が牛の異変を自動で検知し、疾病・発情・起立困難などの場合にアラートで知らせる。
近年、畜産経営は生産の集積化・大規模化が進む。だが、集約化・大規模化を進めるには、規模に応じた体制整備の必要があり、設備投資の負担や労働力不足で適切な個体管理が難しい。また、疾病や事故の見逃しも少なくない。こうした牛の不調を見逃すことは、疾病の重症化や死亡による生産量の減少につながり、経営そのものを圧迫しかねない大きな問題となっていた。
畜産業における生産体制の効率化を推進するサービス「 U-motion」 には、2020年1月時点で約10万頭の牛の行動データが集積されている。三井住友海上とデザミスの連携により、診療費における畜産農家の自己負担部分を補償することで、牛に対する早期かつ適切な治療の促進と死亡率低減を支援し、テクノロジーとデータにもとづく次世代型畜産経営を支援できるという。
「牛の診療費補償サービス」の特長
(1)U-motion の導入による牛の疾病・事故早期発見
U-motion の行動モニタリング機能・アラート機能により、牛の健康状態をリアルタイムで把握し、疾病・事故の早期発見が可能となる。
(2)畜産農家の診療費自己負担分を補償
U-motion を装着している牛が家畜共済の疾病傷害共済の補償対象となった場合に、組合員等の1割自己負担部分を支払う。そのため、診療費の全額が病傷共済金と損害保険金によって補償される。なお、U-motion に保険が自動付帯されるため、畜産農家に保険料負担はない。