日本生命が初の認知症保険を発売

日本生命は4月2日から同社として初めてとなる認知症保険を発売する。認知症の前段階の「軽度認知障がい(MCI)」の診断で一時金が出るほか、認知症の早期発見や重症化を予防する仕組みであることが特徴だ。

新商品発売の背景には、高齢者(65歳以上)の認知症の有病者が増加傾向にあることが大きい。厚生労働省の推計では2012年に462万人だった認知症患者数は、2025年には675万人、2035年には799万人になると予測される。日本政府は2019年に6月に発表した「認知症施策推進大綱」で認知症との「共生」と「予防」を両輪として「認知症の発症を遅らせて、認知症になっても日常生活を過ごせる社会」の実現を目指すべき社会として掲げた。認知症の発症予防と進行を遅らせる仕組みまで保険商品に組み込んでいるのが日本生命の新商品だ。

新商品「認知症サポートプラス」では被保険者が保険期間中に認知症と診断された場合に、「認知症診断保険金」を受け取れる上、軽度認知症(MCI)」と診断された場合に「軽度認知障がい診断保険金」が受け取れる。

たとえば「認知症診断保険金」を500万円に設定した場合、その10%の50万円が軽度認知障がい診断保険金として受け取れる。さらに万が一の場合の死亡保険金も50万円ついている。

認知症の早期発見・重症化予防については、スマホのアプリを活用し、質問に対する声をAIで分析することで認知機能の状態を判定する仕組みも組み込んだ。声だけで認知機能をチェックできるアプリの提供は保険業界初となる。

また、認知症予防に効果があるとされる有酸素運動・脳のトレーニングを習慣づけるため、ウォーキングアプリ「aruku&」(あるくと)内に、クイズ形式の「暮らしの脳トレ」を新設。歩数や脳トレの実施状況に応じてアプリ内でインセンティブを付与することで毎日楽しく気軽に身体を脳の健康状態の位置につなげられるようにしている。

認知症や介護に関する相談・問い合わせの窓口も設けた。電話や訪問で相談に乗る「認知症・介護あなたのそばのコンシェルジュ」では、ニチイ学館のケアマネージャーなどが認知症や介護に関する不安や悩みなどの相談を受け付ける。さらに、認知症ウエブサイト「100年人生レシピ」を解説。認知症の方やその家族へのインタビュー記事や重症化予防に役立つコラムなど人生100年時代に備えて、多くの人々が認知症を正しく知るきっかけとなる情報を提供する。

 

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