MS&ADグループの三井ダイレクト損保(船木隆平社長)は4月13日(日)12時30分から15時まで、「事故のないクルマ社会を目指す」活動である『MUJICOLOGY!(ムジコロジー)プロジェクト』の一環として、「ムジコロジー・シンポジウム」を開催した。
「第二部」では、第一部のパネルディスカッションでコーディネーターを務めた、 東京大学先端科学技術センター教授でムジコロジー研究所所長の西成活裕氏が 、日常生活にも役立つ「渋滞学」講座を行った。渋滞発生のメカニズムを実験によって解明するとともに、ドライバーの意識を変えることでゆずり合いの心が芽生えて渋滞が緩和されることを明らかにした。
渋滞による経済損失は12兆円に上る
渋滞について独自に研究した新しい学問「渋滞学」を提唱する西成教授は、高速道路の渋滞によって追突事故が増加したり、二酸化炭素が多く排出されることを挙げて、「渋滞による経済損失は、年間でなんと約12兆円にも上ると試算されています」と語った。
西成教授は「交通事故防止、エコドライブ、渋滞緩和の3つはすべて関連している」と述べた上で、人をクルマに見立てた「高速道路での渋滞実験」を舞台上で披露。まず、何らかの理由で人と人との間が詰まる(車間距離が詰まる)ことで流れが滞り、それが徐々に後ろに連鎖していくことが渋滞の原因になることを証明した。
続いて渋滞を解消するための実験を披露。第二部のアシスタントを務めた、女優の高山侑子さんの「ムジコロジーハイ!」の掛け声と手拍子を合図に、一定のリズムを取って前に移動して車間距離を保つことが、渋滞の解消につながることを見事に証明した。
西成教授は「渋滞解消のキーワードは『車間距離』です。ドライバー各自が思いやりや『ゆずり愛のココロ』を持って、車間距離を保って進めば渋滞は起きません! こうした気持ちを持つ大切さは、高速道路でも、合流地点がある一般道などを運転するときでも変わりません」と述べてシンポジウムを締めくくった。
最後に三井ダイレクト損保の事業部ゼネラルマネージャーの岩井淳氏が2011年から「MUJICOLOGY!(ムジコロジー)」の活動を開始し、2013年から西成教授を「MUJICOLOGY!研究所」の所長に迎えていることを説明。「渋滞も事故もなく、環境に優しく、思いやりに満ちあふれた社会を目指して明るい未来づくりに少しでも貢献できるように、西成教授と共同研究を進めていきたい」と宣言した。
MUJICOLOGY!研究所
(URL:http://www.mujicology.jp)